仮想外敵である島津家の姫が家斉の正室に
まず、4男・徳川敦之助がわずか3歳で清水徳川家の家督を継ぎ、翌年に死去している。これには特別な事情があった。
2024年放映のフジテレビ「大奥」は、10代将軍・徳川家治の正室(皇族)が妊娠するのを大奥の女性たちが阻止しようとするのが描かれていた。曰く、「公家(皇族を含む)の子が将軍職に就くと、朝廷が幕政に介入する」と。ところが、その家治の母が公家(梅溪家)出身なのである(笑)。
それより幕閣が恐れていたのは、外様雄藩の大名の娘が将軍の子どもを生んで、その子が将軍になることである。歴代将軍の正室は、3代・家光以来、京都の公家か皇族出身だったのだが、よりにもよって、家斉の正室・篤姫(のち茂姫、天璋院篤姫とは別人)は薩摩藩主・島津重豪の娘で、男子を生んでしまった。それが4男の敦之助なのだ。家斉はもともと一橋徳川家の世子で、10代・家治の子が急死してしまったので、急遽後継者に指名された。その時、すでに島津家の姫と婚約していたのである。
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