CIAとの「特別な関係」は特色の一つ

冷戦期には、MI6は主にソ連・東側陣営に対するスパイ活動を担い、敵陣営内部への浸透や現地協力者の獲得に注力した。21世紀に入り、テロ対策でもイギリスは重要な役割を果たしている。MI6は9.11同時多発テロ以降、中東や南アジアにおけるイスラム過激派組織への浸透と情報収集を強化、CIAなど他国機関と緊密に協働してテロネットワークの解体にあたった。

このCIAとの「特別な関係」は、イギリスのヒュミントの特色の一つと言っても良いだろう。中東・南アジア・アフリカなど旧イギリス帝国の地域では、イギリスの経験と人脈が豊富であるため、CIAがMI6の知見に頼る場面も多いとの指摘もある。

イギリスのヒュミントは、古くから「紳士的」と形容される礼儀作法や伝統を保ってきたと語られることが多い。しかし、元職員が記した回顧録や研究、あるいは報道・公的資料などをひもといてみると、意外にも他の情報機関と大差ない手法を駆使していた様子がうかがえる。