キーエンスが圧倒的な結果を出せる理由
このように、課題発見力が企業活動の中核となる時代において、付加価値提供と競争優位性の境界は急速に曖昧になっています。かつては製品やサービスそのものの善し悪しが付加価値を決め、コストや規模が競争力を規定していました。しかし今では、「顧客の潜在課題を発見し、それに応える力」こそが、付加価値と競争優位の両方を生み出す根源となっています。この変化は、極めて自然な帰結です。
たとえば日本企業であるキーエンスは、まさにこの「課題発見型企業」の代表例でしょう。同社は製造現場の潜在的な問題点を先回りして捉え、顧客が自覚する前にソリューションを提供することで、極めて高い利益率と持続的な成長を実現してきました。顧客の声を待つのではなく、課題を発見し、提案型営業で解決策を差し出すこの姿勢こそが、キーエンスの圧倒的な競争優位性の源泉なのです。
構造的に強靭な企業に共通することは、まさにこの「課題発見→価値創造→競争優位」というサイクルを自らの成長エンジンにしている点です。だからこそ、「付加価値のありか」と「競争優位性」を包括的に把握する能力が長期投資家には求められるのです。
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