今宵のテーマは「温泉を科学する」。そんな講義を、飲み物片手に気楽に受けることができる「サイエンスカフェ」が盛況だ。主に大学や各学会などが主催するプチ理科系座学で、天気、宇宙、医療、環境、動物などの最先端の話を、第一線のセンセイが一般人向けに噛み砕いて説明してくれる。費用も1000円前後とリーズナブル。

30~40代のビジネスマンの姿も多い。講座後、酒を飲みながら先生に話の続きを聞くことも。

30~40代のビジネスマンの姿も多い。講座後、酒を飲みながら先生に話の続きを聞くことも。

講師である温泉医療・脳医学が専門の大学教授によれば、「入浴直後の数分間、脳内の血流が風呂の水圧で押し上げられて増え、脳が活性化していい発想ができる」。数分間ではあるが、風呂は脳に効くのだ!

この日、アウトドア店の1フロアーを借りて「ネイチャー&サイエンスカフェ」を開いた伊藤信子さんは言う。

「不思議なこと、ワクワクすること、センス・オブ・ワンダーに興味を抱き、熱心に話を聞くスーツ姿の参加者も多いですね。自然現象や科学の楽しさを知ると世界がそれまでと違って見え、社会を見る目も変わり、仕事を含め物事を多面的に捉えられるようです」

ロジカルシンキングを身に付けるため、サイエンスカフェで理系的思考法や発想法を学ぼうとする人も多い。

過去3回、カフェに通ったという38歳の商社マンは、「直接的に仕事に使えなくても、理系的知識を仕入れていると仕事時の取引先との雑談やアフター5で役立つんですよ」。

先ほどの大学教授の話はこう続く。

「41度のお風呂に10~15分浸かると体温が約1度あがります。すると代謝が活発になり、免疫力もアップします。1日の疲れも取れやすい。でも、シャワーでは体温は上がりません。しっかりお湯に浸かる文化のある日本人ならではメリットなのです」

科学的な入浴法を知れば、発想力も体力もアップして、仕事にも生かせる、かも!?