確実に資産を増やす方法はあるのでしょうか。「プレジデント」(2018年1月15日号)では、10人の識者に「知っておきたいお金のキーワード」について聞きました。第1回のテーマは「つみたてNISA」です――。(全10回)

教育費や老後資金の準備に最適

2018年1月より「つみたてNISA」がスタート。以前からNISA(少額投資非課税制度。以下、現行NISA)とジュニアNISAがありましたが、選択肢がまた1つ増えることになります。主なポイントは次のとおりです。

・運用益や分配金が非課税
・投資の方式は「積立」のみ
・1年間の非課税枠は40万円(月額約3万3000円)
・非課税期間は20年
・投資対象は所定の投資信託(以下、投信)とETF(上場投資信託)
・資金は好きなときに引き出せる

初めて資産運用する人には、株に投資するよりもコツコツ投信を買うほうが、長期的な資産形成を目指しやすいとされています。

しかし、現行NISAは年間投資上限額が120万円、非課税期間は5年間に設定され、そのような投資スタイルの人にフィットしていませんでした。つみたてNISAは、現行NISAが使いづらかった人をすくい上げる制度です。

教育費は学資保険よりつみたてNISAが得策

では、どんな人に適しているのか。まずは、長期的な資産形成を目指して、投信やETFを積み立てしたい(すでにしている)人。今、通常の課税口座で積み立てしているなら、18年からはつみたてNISAに切り替えましょう。

資産形成の目的はさまざまです。目的が教育費なら学資保険などの利回りが低下する昨今、つみたてNISAで準備するのが得策です。老後資金の準備にも役立つでしょう。iDeCo(個人型確定拠出年金)もありますが、60歳まで引き出しできず、専業主婦(主夫)は非課税メリットが薄くなり、60歳以降はそもそも制度を使えない、といった側面も。これらが気になる人は、つみたてNISAのほうが使い勝手がいいでしょう。

つみたてNISAで運用するにあたり、私が注目する投信は、インデックスファンドだと信託報酬(保有期間中ずっと発生するコスト)が特に安い「iFree TOPIXインデックス」、手軽に分散投資ができる「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」など。アクティブファンドでは人気や実績が抜群の「ひふみ投信」も、長期の積み立て向きです。