早稲田大学文化構想学部“第1期生”

「学歴が昇格を左右することはありません。例えば、役職に就くためには立候補をし、試験を受けて、それにパスする必要があります。学歴に関係なく、この試験に受からないと役職に就けないのです。学歴を判断材料にしているようには思えません」

ヤマト運輸の広報戦略部広報戦略課に勤務する池田桃子さんが話す。礼儀正しく、はきはきした口調だ。2011年3月に早稲田大学文化構想学部を卒業し、4月、ヤマト運輸に入社した。文化構想学部の“第1期生”である。

内定を得たのが、大学4年の夏だった。文化構想学部など同級生には、はるか前に内定をつかんでいた人もいた。池田さんの周りでも、春から夏にかけてメーカーや金融機関、ベンチャー企業などに続々と決まっていく。それでも、焦ることはなかったという。

「人は人、私は私と考えていましたから、自分が納得できるまでがんばろうと思っていました。うらやましく思うとか、嫉妬することは全然ありませんでした。

他社の面接試験で面接官とやり取りをする中で、この会社はどうも違うな……、私の返答が間違ったように伝わっているな、などと感じることはありました。私が、自分自身に向かい合うことができていなかったのかもしれません。

ヤマト運輸の面接試験では、自分を素直に出すことができました。縁があって入社できたのだな、感謝しなきゃいけないとあらためて思っています。就活を自己採点? あまり考えたことがないのですが、自分の成長や心の変化という観点から振り返ると、及第点だとは思います。よくがんばった、といえるのではないでしょうか」

入社後は横浜伊勢佐木支店、横浜主管支店の業務改革推進課を経て、2014年に現在の部署へ異動となった。

入社後、はじめて配属された横浜伊勢佐木町の支店では、セールスドライバーやセンターで接客などをするゲストオペレーターたちと一緒に仕事をすることで、最前線の現場の業務を覚えた。

同期の大卒の新卒社員約130人のほとんどが、全国の支店やセンターなどに配属された。ジョブローテーションの一環なのだという。現場では、制服を着て荷物の受け付けや集荷・配達を行う。