切り分ける必要がある手土産はサイアク

結局、何が一番喜ばれるのか?

取引先への挨拶や、お祝いごと、そしてお詫びなど、ビジネスにおいて手土産を持参する機会は少なくないが、何を持っていけばいいのか。これが案外難しい。

あらかじめ相手の好みがわかっている場合なら問題はない。だが、初めての訪問先はどうすべきか。無難なものがベターだろうが、定番すぎてありきたりすぎるのも……と躊躇してしまう。このあたりが、一般家庭への手土産と違うポイントだ。

私は、『ダンチュウ』でスイーツを含め長年取材をする一方、『プレジデント』で多くのビジネスマンに話を聞く機会も多い。だから、取材の終わりに、どんな手土産を選んでいるか尋ねることがある。その数、100人以上はいるだろう。

そこで今回、過去の取材ノートを見直して、「ビジネス手土産」を厳選することにした。

さっそくご紹介する前に、ありがちな「失敗手土産ワースト5」をお知らせしよう。せっかく差し上げてもかえって不評となる残念な手土産の傾向とは何か。手土産をもらうことが多い会社に勤務する女性社員20人に聞いた結果だ。

1 切り分ける必要があるもの
2 冷凍・冷蔵保存の必要なもの
3 相手の近所で購入したもの
4 商品券
5 高額すぎるもの

1は、しばしば見られる失敗例だ。

「放置するわけにいかないし、結局、私たち女子社員が手を煩わされる」(商社・28歳)
「高価なメロンをいただいたが、ケーキならまだしも、果物は手間がかかりすぎる。皮の後片付けも大変!」(金融・24歳)

と、女性陣からは大ブーイング。個別包装だからといって、陶器やガラス瓶入りのプリンなどもゴミの処理が面倒で「女子の手間を考えないダメ土産」と判定される。

2も侮れない。職場によっては冷蔵庫がなかったり、包丁やまな板がなかったりするケースもあり、ありがた迷惑な結果になってしまうので要注意だ。

3はあまりにも手抜きのイメージがありすぎる。

4の商品券は、初めての訪問で持参する人はいないだろうが、お詫びの手土産に選んでしまいがち。しかし、商品券は金券として扱われるため、金銭の授受とみなされNGとしている企業も少なくない。

初めての訪問なら個別包装の日持ちのする菓子、金額にして1500円~2000円程度のものがいい、というのが女子社員たちの結論だ。