無名ブランドでも安ければ売れる時代

3割安いPBに切り替えれば、1カ月で1万7257円の節約に!<br><strong>大黒天物産社長 大賀昭司●</strong>1956年生まれ。86年倉敷きのしんを設立し、同社社長に。93年大黒天物産を設立、現在に至る。
3割安いPBに切り替えれば、1カ月で1万7257円の節約に!
大黒天物産社長 大賀昭司
1956年生まれ。86年倉敷きのしんを設立し、同社社長に。93年大黒天物産を設立、現在に至る。

当社は岡山県倉敷市を本拠とし、食料品・日用雑貨を扱うメガディスカウントストア「ディオ」「ラ・ムー」を柱に、関西・広島・四国・山陰地方に51店舗(2008年12月現在)を展開しています。

08年は金融ショックが家計を直撃し、お客様は価格に極めて敏感に反応するようになりました。以前はNB(=ナショナルブランド。メーカー独自の商標で販売される)商品を指名買いしていたお客様の多くが、いまはこだわりを捨て安さを優先して選んでいます。

袋入りラーメンを例に挙げれば、過去には人気メーカー2、3社のNB商品しか売れなかったのが、いまでは5食入りなら、298円をつければ無名ブランドでも飛ぶように売れていきます。

他のスーパーと比べると、当社の店舗で取り扱う商品アイテム数は3分の1程度。商品を思い切り絞り込み、その商品を大量に販売することで仕入れコストを下げ、キリンの「午後の紅茶」500mlなら88円(希望小売価格147円)、ディ・チェコのスパゲティ(同・400円程度)なら178円など、低価格を実現しています。

こうしたNB商品の中には、当社が日本一の販売数を誇る商品がいくつかあります。07年度の売上高は約650億円ですが、3000億~4000億円の企業に匹敵するほどの販売力があると思っています。

しかし、それでもNBの場合はメーカーの卸値ありき。値下げには限界があります。その限界値を超え、お客様の低価格志向に応えることができるのがPB(=プライベートブランド。小売業が自主企画・開発しメーカーに製造を依頼、自社ブランドを冠し、販売責任を負う)商品なのです。