「特に、百条委員会の証人尋問はかなりハードな場面でしたし、不信任決議が全会一致で可決した時も、すごく辛かった。何とか自分の中で気持ちのバランスを保っている状況です」

『世に棲む日日』を電子書籍で再読した

そんな斎藤氏は出直し選への出馬を表明する約1週間前、ある歴史上の人物を主人公にした小説を読んでいたという。

「私は司馬遼太郎が大好きなのですが、なかでも吉田松陰と、その遺志を継ぎ、若くして倒幕を主導した高杉晋作を描いた『世に棲む日日』を何度か読んでいます。これは知事選の前に一度読んで、一昨日も電子書籍で再読しました」

『世に棲む日日』は1977年大河ドラマ「花神」の原作の一つとしても知られる。本書は前後編で分かれているが、特に斎藤氏は後編の主役である高杉晋作に惹かれると話す。

「高杉晋作が幕末期の長州藩で孤軍奮闘するのですが、その姿を、もしかすると今の自分に重ね合わせているのかもしれません」

そしてインタビューの後半、出直し選への決意をこう語るのであった。

「辞めることだけが責任の取り方ではありません。批判をしっかりと受け止めながら職務を続け、改革を進めていく。これこそが私なりの責任の取り方なのです。辞めろ、辞めろと言われるのが辛い時も正直ありましたけれども、そうした声には負けていられません」

10月10日発売の「文藝春秋」11月号では、斎藤氏のインタビューを8ページにわたり詳報。亡くなった県民局長との出会いや、職員とのコミュニケーション面での反省、県政への思い等について語っている。

「文藝春秋 電子版」では、10月1日から斎藤氏のインタビュー全文を先行公開している。

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