全国一律の組織的な金集めの実態がさらに白日のもとに晒される
さらに展示会会場に誘う前には、電話などで次のことを事前に必ず話すべき5つの文言(「5大トーク」と教団内部でいわれていた)が続きます。
1.招待制になっている
2.時間は2~3時間かかる。
3.アドバイザーが説明してくれる。
4.私も買った。(すばらしい説明で見方がかわった)
5.買ったらよいですね。
ちなみに布教時にも、ビデオセンターに誘い込むための似た文言の「5大トーク」がありました。
展示会での接客の心構えとして「救いの心情を持つ」とあり、「ゲストが絵をかうということは、供え物を捧げるということである」(筆者が残したメモ原文ママ、以下同)ともあります。つまり、サタン世界に住む人たちを、旧統一教会の信者らが「(神の側に)救う」という気持ちをもって電話をかけて、神様のもとにお金を捧げさせる(絵を買う)ように促しなさいというわけです。また「愛を持つ人は美を持つ」などという、決め台詞的な文言もあります。
教団が教義をもとに組織的に金集めの販売活動をしてきたことは誰が見ても明らかです。しかし、こうした実態があるにもかかわらず、教団はこの事実を公に認めようとしません。
現在、元信者らの依頼を受けて全国統一教会被害対策弁護団が行っている集団交渉においても、元信者らが購入させられた商品代金の返金を求めていますが、教団本部側は応じていません。
物品販売などの霊感商法については「信者らが勝手にやったこと」という従来の主張をもとに商品を買った「販売会社に個別で交渉するように」と答えている状況です。しかしすでに、過去の民事裁判において、教団の使用者責任を認めた判決が多く出ており、もはや旧統一教会との一体性はどんなに否定しても、ぬぐえるものではありません。
冒頭の最高裁の判決が言い渡されるのは、ちょうど1カ月後です。
岸田首相の2022年秋の発言以降に風向きが変わり、念書の有効性を認めた教団側の勝訴判決が見直しとなれば、これまで念書を書かされて献金を諦めていた人たちも声をあげやすくなります。そうなれば、教団が過去に行った全国一律の組織的な金集めの実態がさらに白日のもとに晒されることになるでしょう。そうなると、旧統一教会への解散命令に向けた司法判断はゆるぎないものとなっていくに違いありません。