30年前購入「郊外駅からバス20分4500万円庭付き一戸建て」衝撃査定額
夫婦が自宅を購入したのは、バブル期の1980年代後半です。当時は地価の高騰が激しく、庭付き一戸建てを購入しようとしたら、どうしても利便性は犠牲にしなければなりませんでした。
郊外の駅からバスで15分、20分の場所に分譲住宅地が造成され、それでも飛ぶように売れていきました。夫婦が購入したのも、そんな郊外の分譲住宅地の一角です。購入価格は土地と建物を合わせて4500万円でした。
入居した当時は、小さな子供がいる同世代が多く、地域は活気がありました。しかし、30年も経過すると、子供世代はみな家を出てしまい、高齢者ばかりが残ってしまいました。やはり、都心から電車で1時間の駅からさらにバスで20分というのは、通勤には向きませんでした。職場まで2時間近くかかってしまうからです。
購入してから40年近く経過していて建物は古くなっていますが、それでも不動産価格が上昇とのニュースを耳にして、購入価格の半値近くの2000万円ぐらいでは売れるのではないか、そして貯蓄から1000万円を充当すれば駅近くの中古マンションが購入できるのではないかと期待しています。
そこで私は、詳しい住所を伺い、不動産業者に査定をしてもらいました。すると、自宅の売却価格は1300万円程度との結果が出ました。建物の評価額が低いのはやむを得ないとしても、土地の価格が4分の1近くまで下がっているのには、驚かされました。
購入を考えているエリアの駅近マンションは、中古でも3000万円以上の価格となっています。これでは住み替えは到底できません。夫婦は肩を落としました。「今は、郊外の住宅地はあまり人気がないんです」私は説明しました。
三浦さんが購入した1980年代は、郊外の庭付き一戸建ては人気がありました。住環境が良いこともありますが、建物は経年劣化で価値が下がったとしても、土地は値下がりすることはないと考えられていたからです。そのため、利便性を犠牲にしても戸建てを選ぶ人が少なくありませんでした。
ところがその後、夫婦共働きが増えると、交通の便がより重視されるようになり、郊外の戸建てよりも駅近のマンションの人気が増していくようになりました。特にここ数年は、利便性が高い地域のマンションは人気が高く、販売価格の上昇が続いています。
ちなみに、その頃に同じ4500万円で売り出されていた駅近くのマンションは、30年以上が経過した今でも3000万円程度の値が付いています。