派手ではないけれどきちんと盛れる
三つ目は、100円ショップのダイソーの新シリーズ「coou(コーウ)」です。
これは、言うなれば「そっくり韓国コスメ」です。このシリーズは「韓国」を謳っているわけではありませんが、ダイソーが思いっきり「韓国コスメ」の発色やパッケージデザインをまねしたのは間違いありません。これがZ世代にウケています。価格は100~200円(税別)。人気の「韓国コスメ」に似た高いクオリティーの商品を安い価格で手に入れることができると、Z世代の間で大反響を呼んでいます。
なぜZ世代は「韓国コスメ」に熱中するのでしょうか。リーズナブルな価格で「派手ではないけれどきちんと盛れる」のがポイントです。ひと塗りであか抜けた印象、シャレた印象を出せる穏やかな発色。入手したくなるパッケージのかわいらしさも人気の秘訣でしょう。
SNSでは韓国アイドルやメイクアップ動画が数多く流れています。こうした情報に、日常的に触れている影響は大きいです。アイドルに憧れ、自分も彼女たちに近づきたい、まねしたいと思う――。こうした感情が「韓国コスメ」人気を支えていると感じます。
K-POPアイドルになれる写真スタジオは大人気
③韓流スポットは、日本国内で韓国にいるかのような体験ができる場所です。Z世代が「韓国化」している象徴的なトレンドになっています。
例えば、今年2月に新大久保にオープンした韓国アイドルになれる写真スタジオ「stage A」です。K-POPアイドルのような衣装(140着ある)をレンタルし、韓国メイクをしてもらい写真撮影をすることができます。韓国では同種のスタジオがありましたが、日本に上陸したのは同店が初めてということで、TikTokやInstagramで多くのインフルエンサーが紹介し、SNSで一気にトレンドになりました。
衣装レンタル・スタジオ撮影のレギュラープランが8350円(2人料金)、韓国風ヘアセット・メイクアップを含むパーフェクトプランは2万7950円(同)と、決して安くはありません。しかし「韓国アイドルのような格好をしてみたい」という若い世代が集まり、写真をSNSに投稿するのがトレンドになっています。「ナムドル」(男性アイドル)用の衣装も取り扱っているそうです。
なぜZ世代は韓国発のトレンドに憧れるのか
Z世代はSNSの中にとどまらず、リアルな韓国を体験しようと積極的です。
4月に東京・原宿で、韓国の女性アイドルグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」と人気ファッションECサイト「MUSINSA(ムシンサ)」がコラボした10日間の期間限定店舗がオープンしました。
会場には、イベント開催前からNewJeansのポスターが設置され、写真スポットになったほど。店舗では、韓国の最新ファッションブランドが並んだだけでなく、現地で人気のドーナツ専門店や、ソウルの有名レコードバーのDJブースも登場しました。