投資で、1億円を超える大きな資産を築いてきた成功者たちが、私の周りには何人もいる。彼らから聞いた話の中で、もっとも印象的なことのひとつに「フィジカル・ストレングス」(身体的な強さ)がある。
たとえば、株式市場が暴落したり長期の不況が訪れると、ウツになったり、病院通いが始まったという人は現実にいる。それに耐える心の強さを支えるのが、身体の強さである。
「いや、自分は健康だ、病気じゃあないよ!」という元気な声が聞こえてくるが、身体的な強さとは、病気でない状態をいうのではなく、筋肉質でしなやかな身体をいう。
健全とは言いがたい、バランスを欠いている人の例として、以下のようなタイプがあるように思う。
・肥満型:感情や情緒に流されることが多く、何かの中毒症になりやすい。
・ヤセ型:神経質で小さなことに動揺しやすい。どちらかというと悲観的。
・こわばり型:過去の成功体験に生き、今の自分の弱点や現実から目をそらす。他人と比較して自己チェックすることができない。
・軟体動物型:脊椎の一貫性がなく、そのときそのときの気まぐれで行動してしまう。
一方で、身体が健康であると、投資家として得られるメリットには、次のようなものが挙げられる。
・いつでも平常心を保てる沈着冷静さ
・我慢すべきときに辛抱できる忍耐力
・瞬間的な選択を誤らない機敏な判断力
・見かけやトリックにごまかされない論理的な思考力
・自分の体験を正確に蓄えることができる確かな記憶力
・逆境にあっても粘り強く前向きに考えるタフネスさ
・エネルギッシュでアクティブな行動力
これらの特性をひと言で言えば、「投資におけるセルフコントロール力」となる。すなわち自己制御能力である。