テレビやインターネットは子育ての味方

私は娘が小さい頃、リビングのテレビでNHKをほぼつけっ放しにしていましたが、茶道を教えたこともない娘が、ガーゼのハンカチを茶巾に見立てて折りたたみ、茶碗をふくお点前てまえをして遊んでいるのを見て驚いたことがあります。

その後も娘はテレビの影響で、お箸を振ってN響の指揮者の真似をして遊んだり、クラシック・バレエに興味を持ってバレエを習い始めたり、俳句や短歌まで作り始めました。家にいながら、一流の講師陣からあらゆる分野の知識を学ぶことができ、子育てをする上でテレビには本当にお世話になったと感じています。

教育熱心な親御さんからは、とかく悪者と見なされがちなテレビですが、ちょっと見方を変えれば、世界中のありとあらゆる事物を映し出し、説明までしてくれる、とっても便利な「動く百科事典」です。

読書だけだとどうしても情報が古くなりますし、好きな分野の本ばかり読んで知識が偏りがちになります。文字情報だけで国語力を伸ばすことは難しいので、テレビやインターネットを頼もしい味方と捉えて、上手に活用してください。

一人読みに移行させる時期の見極めが大事

たっぷりの日常会話や読み聞かせ、テレビ視聴などによって、大量の日本語シャワーを浴びて育ったお子さんは、小学校に上がる頃には豊かな語彙力と理解力を身につけているでしょう。

そのようなお子さんは、小2の夏頃、スムーズに「一人読み(黙読)」に移行することができます。

写真=iStock.com/Hakase_
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早生まれであるとか、言葉の発達が少し遅いと感じるようでしたら、あせって一人読みをさせる必要はなく、言葉が育つまで、じっくり読み聞かせをしてあげましょう。

「小2の夏? うちはもっと早くから一人読みをさせていますけど……」というご家庭も結構多いですよね。

でも、文字が読めることと、物語の意味・内容を理解できることとはまったく違いますので、字が読めるようになったからといって、安易に一人読みに移行させるのはおすすめできません。

実は、「いつ一人読みに移行させるか?」という、この時期の見極めが、お子さんのその後の国語力に大きな影響を与えるのです。