タリバン政権が暗号資産を狙っている
タリバン政権は、アフガニスタン中央銀行が海外に保有している約100億ドル(約1兆980億円)のほとんどを米国によって凍結され、合法的な資金ルートから締め出された。
一方、アフガニスタンではヘロイン、モルヒネ、アヘンなどの原料になるケシの栽培が盛んである。ケシは安く簡単に栽培できるため、同国の農産物の生産の半分がケシだ。同国は世界のアヘンの8割を生産しており、国連は2017年の報告書で、同国のアヘンの年間輸出額は30億ドル(約3294億円)であるとしている。タリバンは長年支配地域のケシ栽培農家から徴税し、近年は自ら工場を経営し、輸出用のヘロインやモルヒネを生産してきた。
今後、アフガニスタンが世界から経済制裁を科される事態になれば、麻薬関連の輸出はすべて地下にもぐる。そうすると銀行決済が使えないので、暗号資産に頼らざるを得ない。タリバンが暗号資産の起業家を歓迎するとの報道もあり、今後の動きに注意を要する。