「かかってこい!」と威勢はいいのだけど
3、高学年と低学年が一緒にドッジボールをしていました。龍龍はコートの中を行ったり来たりしながら、「かかってこい! 怖いもんか!」と叫びました。
これを聞いてみんなが龍龍にボールを投げました。龍龍は校舎の方に逃げながら、振り向いて「ガキ! かかってこい! ガキ! 怖いもんか!」と言いました。何人かの子は「ガキ」という言葉に腹を立て、追いかけていきました。
それでも「当ててみろよ! 怖いもんか!」と言って逃げ回るので、それを見た六年生の君君は、この「ガキ」を少しこらしめようと思い、手にいくぶん力を込めて龍龍にボールを当てました。龍龍はあまりの痛みに、君君を訴えようと事務室に向かいながら、まるで自分が「ヒーロー」であるかのように「かかってこい! 怖いもんか!」と言い続けました。
4、各学期の最初の授業では、まず教科書を配ります。でも改訂前の本が交じっていることがあるため、生徒がそれぞれ中身を確認して、古い本があれば交換します。その日も、みんな教科書を開き、他の子と挿絵などを確認し合っていたのですが、龍龍だけは先生のそばを離れず、先生に自分の新しい雨傘を見せていました。
掃除に靴ひも…何でもやってもらいたがる
先生に「龍龍がきれいな傘を持っているのは分かった。でも今は教科書を見る時間だから席に戻ってちょうだい。授業が終わったらまた見ようね」と言われても、今見てほしいと言って聞きません。
こうやって授業中いつも授業の内容とは無関係な話題を持ち出し、先生の注意を引こうとするので、他の生徒は龍龍を教室から追い出してほしいと先生に頼みました。龍龍は「何もしていないのに、どうしてみんないじめてくるの?」と不満そうです。
5、ある日、机に牛乳をこぼしてしまった龍龍は、先生に向かって「先生! 机を拭いて」と言いました。先生は「ドアの近くにふきんがあるから、自分で拭くといいよ」と答えました。でも龍龍は「先生に拭いてほしい」と譲りません。先生は仕方なく「自分でできることは自分でしなさい。拭き方を知らないなら教えてあげる。きっとできるはずだよ」と伝えました。
でも次の日になると、先生に泥のついた靴を洗わせようとしました。その次の日は、靴ひもを結ばせようとしました。こうして龍龍は、確かに先生はやり方を教えてくれるだけで、代わりにやってくれることはないと理解しましたが、すると今度は毎日先生にくっついて、何でもかんでも自分のやることを見てもらおうとしました。他のクラスメイトは「あんまりだよ!」と言っています。