「不安・恐れのフェーズ」から「新たな人生のフェーズ」へ

心の再生までのプロセスには、3つのフェーズがあります(図表1)。

最初のフェーズは、「不安・恐れのフェーズ」です。私たちは大きな試練や困難に遭遇したとき、不安や恐れが大きくなって感情的になります。また、被害者意識が強くなり、「○○のせいで、自分はこんな目にあっている」などと不平不満を言うようになります。絶望にうなだれることもあるでしょう。

今あなたが立っている場所は、この「不安・恐れのフェーズ」かもしれません。でも、忘れないでください。人は大きな困難からさえも学び、成長することができるのです。

これからあなたは「学びと成長のフェーズ」へと進みます。メソッドを身につけることで、何があっても冷静に対処できたり、最善の解決法を導き出せるようになります。人を批判しなくてもすむようになり、なにより自分に自信と誇りを持てるようになるでしょう。あなたの目の前には、「新たな人生のフェーズ」が広がっているはずです。

「新たな人生のフェーズ」では、何があってもなくてもよい気分で過ごせたり、どんな自分も大切な自分であると受け入れることができるようになります。また、周囲の人やさまざまな出来事に対して、自然に感謝の気持ちを持てるようになります。そして、自分の本当に求めるものを手に入れながら、満ち足りた人生を送ることができるようになるでしょう。

「呼吸法」でストレスをコントロールする

呼吸は、無意識の状態を反映しています。不安やストレスを感じているときには浅く速くなり、リラックスしているときは深くゆっくりとした呼吸になるのです。

呼吸と感情は密接につながっているので、呼吸を意識することによってストレスの状態をコントロールすることができます。不安やストレスを感じる場面では、呼吸を意識してゆっくり深くすることによって、心を落ち着いた状態に切り替えていくことができるのです。

それでは、気持ちが落ち着く魔法の呼吸法を実際に試してみましょう。これはアメリカの科学者グループHeartMath Institute(ハートマス研究所)が勧めている方法でもあります。脳とハート(ここでは心臓とハートの両方を指しています)が調和すると、私たちの心と身体はよりよく機能することができるのだそうです。

①楽な姿勢で座って目を閉じます。
②手のひらや指で、胸の真ん中あたりに軽く触れます。こうすることで、意識がハートに向く助けになります。
③鼻でゆったりと呼吸しながら、呼吸を観察します。そのまま1分間ぐらい呼吸を観察すると、徐々に落ち着いてくるのがわかると思います。
④その状態を保ちながら、「感謝していること」や「誰かを思いやる気持ち」「小さな子どもや動物の赤ちゃんなどを可愛いと思う気持ち」の中から一つを選んでそのフィーリングを感じ、3分ほど保ちます。