それは、ハリス氏が同サイトに込める「どこに声を寄せていいかわからないという人たちがキャンペーンを発信して、誰かにその思いを届けてほしい」という願いをかなえる可能性を、自ら落としていくことになりかねない。
不正対策の詳細は公表していない
その他、IPアドレスでの不正検出や、不正対策の仕様についてもChange.orgへ尋ねたが、「エンジニアと仕様の詳しい内容を共有していないため、技術的なことについては理解しておらず、また悪意のある攻撃者からサイトを守るためにも、不正対策の詳細は公表していない」と居直りともとれる回答だった。
しかし、プレジデント誌報道後、同サイトではメールアドレスを入力し、キャンペーンへの賛同を押した場合でも、賛同後に届いたメールへのリンクへアクセスを行わないと署名およびアカウントが有効化されない仕様に変更された。
つまり、正常な二段階認証はハリス氏が携わってから7年目にしてようやく有効化されたということだ。
だが、二段階認証さえすれば多重投票は可能だ。また“捨てアド”と呼ばれる作成が容易なメールアドレスを排除する仕組みも導入されていない。
ハリス氏は「クリックを増やせば増やすほど、ユーザー数は落ちていく」とサイト運営の難しさを話していた。登録までの手続きを増やせば増やすほど、サイトの盛り上がりは弱まることを理解していた。
メールアドレスの保有数だけ投票できてしまう現状を含め、社会的影響力の大きい公的なサイトであることへの自覚を求めたい。