生命保険料が浮いた分を消費に回してしまう残念な人

【不安その4:自分が死んだら妻ひとりで子どもが育てられるか心配だ】
→自分(夫)が死亡したときに18歳未満(高校卒業前)の子がいた場合、妻と子には「遺族基礎年金」が支給されます。支給額は、加入期間にかかわらず年77万9300円(2017年度)。また、子の人数によって加算されます。第1子・第2子は年77万9300円プラス22万4300円ずつで、第3子以降はプラス7万4800円。これを子供が高校卒業まで毎年受け取ることができます。

会社員(夫)の場合、さらに「遺族厚生年金」が妻子に支給されます。加入状況によりますが最低でも25年間の加入に応じた年金額が保障されています。なお、前年の収入が850万円以下(所得655.5万円以下)であれば配偶者が働いていたとしても前出の遺族基礎年金、遺族厚生年金を受けることができます。共働きの場合などは、これらの公的保障を活用しつつ、生活を立て直したり、子育てを続けたりすることが可能なケースも多いのです。

▼もし生命保険料を削ったら、その分を老後に備えたい

さて、ここまでご説明したのは「保険の掛け過ぎは止め、基本的な公的保障をしっかり把握しましょう」ということです。しかし、「あなたとお金の生存戦略」をテーマにしている私が重視したいのは、生命保険の掛け過ぎではなく「保険料を見直したその先」のことです。

仮に、前出の60歳前に死亡する「5%」のリスクに生命保険を掛けることを見直し、月1万円の保険料を削減したとします。そのとき、その1万円を、自分の老後、つまり「95%」の生きる可能性のほうに備える原資にする必要があります。

ところが多くの人は、「月1万円分、家計が節約されて助かった!」と単純に喜ぶだけ。可処分所得、つまり使えるお金が増えた、と1万円を他の消費に回してしまい未来への備えをしていないケースが目立つのです。