「リベラルアーツ教育」は人の器を大きくする?
ICUの学生は英語だけを学ぶわけではありません。「リベラルアーツ教育」による教養の高さも、ICU男子がモテる理由と言えるでしょう。リベラルアーツ教育とは、ICUの説明を借りれば、「文系・理系の区別なく幅広い知識を得た後に専門性を深めることで、豊富な知識に裏打ちされた創造的な発想を可能とする教育」というものです。
ICUは、教養学部1学部で、その中に31のメジャー(専修分野)を設けています。入学時に専攻を定める必要はなく、3年次になる前の段階でメジャーを決定します。
メジャーには、「文学」「社会学」「数学」「生物学」「美術・文化財研究」「ジェンダー・セクシュアリティ研究」「グローバル研究」などがあり、さらに1つだけでなく、2つのメジャーを同時に組み合わせる「ダブルメジャー」、2つのメジャーを比率を変えて履修する「メジャー、マイナー」という履修方法を選ぶこともできます。通常の大学では経済学部に入学すれば、卒業まで同じですが、ICUは入学時の志望通りに学び続けることもできますし、途中で変えることもできるのです。また文系と理系を変更することもできます。だから、自分の興味と適性を見極めながら、学問を深めていけるのです。
こうした型にはまらないスタイルが学生のモノの考え方や生き方にも作用し、「人としての器」を大きくしていくような側面があるかもしれません。だからこそ、外見だけでなく、相互の知性においても信頼することができ、お二人の関係も良好なのではないかと推測します。
なぜICU生は人事採用担当者にもモテるのか?
『2018年度版 大学ランキング』(朝日新聞)の「人事採用担当者なら気になるランキング」で、ICUは16位でした。旧帝大や早慶などには及ばなかったものの、神戸大、上智大、中央大、筑波大などよりは上でした。前年までは圏外でしたから、最近になって採用担当者からの評価が高まっているようです。
また、週刊ダイヤモンド(2014年10月18日号)の特集「最新大学評価ランキング」では、ICUは「使えるグローバル人材輩出大学」の項目で1位になりました。
ICUでは、外資系企業など、カタカナ系の企業に進む学生が多いようです。私の知人でも、外資系企業(IT、広告、PRなど)に就職し、アメリカ、フランスなどの海外支店で活躍している人が数多くいます。
小室さんのように日系のメガバンクに就職する学生もいますが、やはり目立つのは外資系企業です。ICUのホームページにも、日本アイ・ビー・エムやデロイトトーマツコンサルティングなどの名前が並んでいます。また、英語を社内公用語化した楽天などのIT企業にも多くの人材を輩出しています。