グローバル環境で求められる伝え方

では、社内でのトラブルを避けるために相手と協力的な関係を築くには、どのようなコミュニケーションをとればよいのでしょうか?

この場合、過去の反省よりも未来に向かってどう改善していくかに重点をおいた対話をすることができれば、彼らとの関係も良好になっていきます。

例えば、先ほどの文章を私が直すならば、以下の2つが改善ポイントになります。

1)Youのように責任のありかを特定してしまう名指しした文章にしないこと。
2)責任の追及ではなく、改善方法について触れること。

この改善ポイントを踏まえて直すと、以下のようになります。

Let's think how we can avoid same mistakes.(同じミスを起こさないために何ができるか考えてみよう)

このような建設的な表現は過去の反省を促せるだけでなく、互いの信頼関係を深めて協力関係を得ることができるのです。

今後はM&Aなどを通じて、日本人が海外へ行くだけでなく、外国人を日本に迎えるケースもたくさんあると思います。その際、日本での文化や習慣をそのまま相手に適用するのは危険です。つまり、英語がどれだけ堪能になったとしても、相手に信頼してもらえないようなコミュニケーションだとしたら、使えない技術と同じです。

あなたが将来グローバルでの活躍を希望するならば、海外文化・習慣を意識したコミュニケーションが求められるでしょう。そして、それを習得していくことが、今必要とされるグローバルパーソンへの最短の道なのです。

齋藤浩史(さいとう・ひろし)
マサチューセッツ大学MBA講師。

上智大学博士号中退、イギリスバーミンガム大学MBA。ゴールドマンサックスやその他外資・日系投資銀行で海外業務を行う。ヨーロッパ、中東、東南アジアの財務省や世銀との国際ビジネスに携わる。現在、マサチューセッツ大学MBA講師のほか、ビジネス英語ライティング研修、英語プレゼン研修を企業や個人に提供、同時に都内大学や資格学校のLECでミクロマクロ金融・経済学を教える。近著に『外資系金融の英語』(中央経済社)。

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