タイムレコーダーのコピーや手帳の記録で、サービス残業や自主退職の押し付けと断固戦う方法を伝授する。
<strong>労働組合 東京ユニオン執行委 高井 晃</strong>●員1947年生まれ。70年、早稲田大学第一政経学部政治学科中退。79年、東京ユニオン設立、委員長。著書に『ユニオン力で勝つ』など。
労働組合 東京ユニオン執行委 高井 晃●1947年生まれ。70年、早稲田大学第一政経学部政治学科中退。79年、東京ユニオン設立、委員長。著書に『ユニオン力で勝つ』など。

解雇、退職勧奨、賃金カット……。業績悪化により、会社はサービス残業を押し付け、さらには人件費に手をつけている。そのような状況の中、ビジネスマンがわが身を守る方法はあるのだろうか。経営者からの信任も厚い第一芙蓉法律事務所・木下潮音弁護士と、労働者争議の最前線で奮闘する東京ユニオン・高井晃氏に、労使双方の立場から助言を頂いた。

まず、会社が人件費を減らすには、賃金カットと解雇の2つの方法がある。この2つを労働契約法の観点から比べると、実は解雇のほうが容易なのだという。

「日本の労働法では『クビ切り』はできないが『賃金カット』は簡単だと思っている人が多いのですが、大きな間違いです。労働契約には、『解雇権』が織りこまれており、労働者の同意がなくとも、いくつかの条件を満たせば解雇することが可能です。反対に賃金カットは、原則として同意が必要で、仮に就業規則変更等により契約内容を変更しようとする場合は、誠実に協議をしなくてはいけません。会社の将来を考えても、役に立たない問題社員には早期退社をうながして、新規に採用をしたほうがいい」(木下)