どこからが「終末期」なのか

人権・倫理・道徳という「人の道」を大きく踏み外した政策であるとの指摘はこれまで何度もしてきたので、本稿ではいささか不本意ではあるが、彼らと同じ土俵に上がって、この政策をおこなおうにも「現場では絶対不可能である」という「実現可能性」にフォーカスして論じよう。

第一に、「終末期」とはなんぞやという点である。なんとなく理解できるようで、その定義をはっきり述べられる人はいるだろうか。

一般的には、“いかなる治療をおこなっても回復が困難で、数週間から数か月以内で死に至る不可逆的な状態であると複数の医療関係者によって慎重に判断されたもの”と解釈されようが、明確な「診断基準」はない。