支援者だけではつくれなかった環境

「犀の角」の劇場スタッフは、やどかりハウスの利用者を決して排除しなかった。たとえば朝から晩までカフェに滞在してお客さんに次々に声を掛ける人には「用務員ってことにしたらおかしくないかな」と、役を当てはめることで、関係性を捉え直す。

劇場でありカフェでもある「犀の角」の外観
筆者撮影
劇場でありカフェでもある「犀の角」の外観

病院で長年ソーシャルワーカーとして働いた経験がある秋山さんは、どうしても「迷惑をかけてしまっていないか」と思ってしまうことが多かった。違う関係性を見出す劇場スタッフの対応を見てはっとしたという。