マクロ経済的に気がかりなのが、せっかく落ち着いたインフレの加速が再燃することだ。ただでさえ経済界が悲鳴を上げている最中で、最低賃金の一段の引き上げに踏み込んだのだから、企業は労働分配を強化するためにも、さらなる値上げを行う必要が出てくる。結局、最低賃金の引き上げがインフレにつながるという悪循環を描くのである。
ドイツは2015年に最低賃金を導入したが、それ以降、賃金・物価スパイラルの傾向を強めてきた。コロナショック後の粘着的な高インフレは、ショルツ前政権が政治主導で最低賃金を大幅に引き上げたことによってもたらされた側面も大きい。仮にショルツ前政権が最低賃金の引き上げを抑制していれば、インフレの粘着性も弱まっただろう。
2024年以降の問題は、労働コストの伸びがインフレをはるかに上回っていることだ。にもかかわらず、今後、ドイツはどんどん最低賃金を引き上げるのだから、高インフレが再燃する可能性は極めて高い。高インフレが定着すれば実質所得が目減りし、かえって消費が停滞する。つまり、スタグフレーション(景気停滞と物価高進の併存)そのものだ。
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