時間に追われない人の打ち合わせ術

さらにセネカは、人間を「忙殺の人」と「閑暇の人」の2種類に分けています。

現代なら、SNSのチェックや書き込みに追われて時間を浪費するのは、忙殺の人と言えるでしょう。一方で、仕事をしっかりこなしつつ、どこかゆとりがあり、時間を有効活用して人生を充実させる人もいます。これが閑暇の人というわけです。

さて皆さんは、自分はどちらの人間だとお考えでしょうか。

私自身は、自分を割と暇な人間だと思っています。大学で教えたり、本を出したり、テレビに出演したりと様々な仕事をしているので忙しそうに見えるかもしれませんが、毎日、読書や映画・スポーツ観賞を楽しむ時間は十分あるので、忙殺されている感覚はありません。SNSもやらないので、仕事さえ終われば、時間を好きなように使えます。

さらに仕事中も時間を効率的に使うため、常にストップウオッチを手元に置いています。「この打ち合わせは20分」と決めたら、時間を計りながら話を進めて、必ず時間内に終わらせるのです。ストップウオッチを使うと時間の密度が高まり、仕事がどんどん片付くのでお勧めです。

ストップウォッチ
写真=iStock.com/Suspended Image
※写真はイメージです

他人に簡単に時間を貸してはいけない

自分の時間を浪費しないだけでなく、他人に時間を浪費させないことも大事です。

「私は、常々、人に時間を貸せと求める者がおり、求められるほうもいとも簡単に貸し与えてやる者がいるのを見て、驚きの念を禁じえない」
齋藤孝『座右の一行 ビジネスに効く「古典」の名言』(プレジデント社)
齋藤孝『座右の一行 ビジネスに効く「古典」の名言』(プレジデント社)

セネカもこう述べているように、職場でも「10分だけいいですか」と相手に時間を求める場面はよくありますし、求められた側も応じることがほとんどでしょう。しかし結局は、30分、1時間と延びていき、ダラダラと時間を費やしてしまうことも多いのです。

お互いに時間を浪費しないためには、それが本当に必要かを考えることが大切です。

私が「打ち合わせをしたいので、1時間いただけますか」と言われたら、まず目的を確認します。「テレビ番組の趣旨説明をしたい」ということであれば、企画書をメールで送ってもらえば済むので、自分の1時間を相手に貸し与える必要はなくなるし、相手に1時間を浪費させることもありません。