BEVだけではない
中国との関係を深めているアフリカ諸国でも中国車は急速に台数を増やしている。政治的・経済的な関係だけでなく、低価格車が求められる市場なので当然の成り行きともいえる。
発展途上地域での中国車の存在感は相当上がっているのだ。
このような地域は本来日系ブランドの強い地域が多く、BEVだけでなくICE車も中国勢の動きには要注意なのである。中国メーカーはガソリンエンジンの開発にも力を入れており、奇瑞汽車やBYDはトヨタや日産の最新エンジンに迫る熱効率のエンジンを開発できている。
日本に肉薄するハイブリッド技術
また、BYDは高効率エンジンだけでなく、日本車にかなり近いレベルのハイブリッド技術も発表済みだ。高効率エンジンと新世代ハイブリッド技術の組み合わせで、最新のモデルはデータを信じれば34.48km/L(充電ゼロのハイブリッドモードでの燃費)という低燃費とワンタンクで2100kmという航続距離を実現するという。
中国と日本では燃費の測定基準が違うので横並びに比較することはできないが、この燃費性能を実現しているのはボディサイズがかなり大きいSEAL(全長4800mm)である。
仮に日中の基準に20%の違いがあると仮定しても27.6km/Lとなるため、プリウスよりはやや劣るものの、シビックハイブリッドよりは燃費がいいことになる。しかもこれは約90kmのEV走行が可能な重いバッテリーを搭載したPHEVなのだ(プリウスもPHEVモデルは26km/Lにとどまる)。
欧米メーカーが高性能ハイブリッドの開発に苦戦している中、この性能が本当なら先進国でも高い競争力を持つだろう。中国でも最近ではBEVよりPHEVの伸びの方が大きいので、他の中国メーカーも当然これに追従したハイブリッド技術を開発するはずだ。

