コンビニ市場も飽和が見えてきた?

こうした進化は現在も続いている。2025年に開催される大阪・関西万博では、セブン‐イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの大手3社が「未来型コンビニ店舗」を出展し、それぞれが次世代のサービスを提案している。

鈴木敏文(著)、勝見明(取材・構成)『わがセブン秘録』(プレジデント社)
鈴木敏文(著)、勝見明(取材・構成)『わがセブン秘録』(プレジデント社)

たとえばセブン‐イレブンは、来場者の購買データや混雑状況をAIで分析し、商品補充や品揃えを自動最適化する仕組みを導入。ファミリーマートは顔認証決済やキャッシュレス端末を強化し、完全な無人決済型店舗に挑戦している。ローソンもまた、ロボットによる商品補充や多言語対応の接客技術を披露し、訪日外国人や高齢者にも配慮したユニバーサルな店舗づくりを目指している。

とはいえ、コンビニ市場全体は近年やや頭打ちの傾向が見られる。店舗数は全国で5万7000店を超え、立地の飽和感も強まりつつある。出店余地の乏しさや人手不足、物流負担の増加といった課題に直面し、店舗の純増数も鈍化している。

ドラッグストアとの共存など次のモデル模索

この“飽和”とも見える状況は、新たな価値創出の契機ともなっている。近年のコンビニ各社は、調剤薬局との併設や高齢者見守り機能、冷凍食品の拡充、店内キッチンによるできたて商品の提供、さらには店舗配送の自動化や省人化モデルの導入といった取り組みに乗り出している。ピンチをチャンスに変えようとする、まさに第二の進化の時代が始まっているのである。規制の産物であり、苦肉の策から始まった小型店舗が、半世紀を経て、次の社会モデルを体現する実験場にまで進化したことは、決して偶然ではない。

ローソン50周年記念商品の牛肉入りコロッケパン。
写真提供=ローソン
ローソン50周年記念商品の牛肉入りコロッケパン。