山頂を目指さなければいい
登山には、たいてい著名なメインルートがある。例をひとつ挙げてみよう。山梨県の北部に大菩薩嶺という山がある。稜線は開けていて眺めが良く気持ち良く、子どもでも軽々と登れるほどに歩きやすくコースタイムも短く、たいへん人気のある山だ。日本百名山にも入っているので、登山者の数は非常に多い。
この山に登るメインルートは、マイカーか路線バスで山麓のロッヂ長兵衛まで入り、そこから福ちゃん荘という山小屋を経て大菩薩峠まで上がり、頂上を経て唐松尾根をぐるりとまわって福ちゃん荘に戻ってくるというものだ。春から秋にかけての週末となると、このコースは登山者でぎっしりと埋めつくされる。
わたしは大菩薩嶺に登るときは、このルートをちょっとずらす。ロッヂ長兵衛のメインルートの登山口とは別に、ロッジから下っていく登山道がある。このあまり踏まれていない登山道を下ると、大回りして、石丸峠というところを経由した別ルートで大菩薩峠に行くことができるのだ。メインルートが稜線まで標準コースタイム一時間一〇分ほどに対して、こっちのルートは二時間一〇分と一時間余計にかかる。そのかわりにひとけは少なく、美しい森の中をたどって稜線へと向かうことができる。
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