松屋は「吉野家より安く」を意識
つまり、松屋にとって今回の値上げは顧客離れのリスクが小さく、売り上げ増加につながる妥当な選択だったといえます。しかし、理論上は「500円まで値上げが可能」であったにもかかわらず、実際には「460円」にとどまりました。これは、「500円を超えない」という心理的なラインを守りつつ、吉野家よりも安い価格を維持することで、競争力を保とうとする意図があったためだと推測されます。
さらに、松屋は今回の価格改定と同時に、一部店舗で22時以降に約7%の深夜チャージを導入しました。この深夜チャージを加味すると、深夜帯の牛めし(並盛)は実質「492円」となり、吉野家の店内飲食価格「498円」をギリギリ下回る設定になっています。こうした価格の微妙な調整からも、松屋が強く意識している「500円の壁」と競合への対抗心が見えてきます。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能
