マイホームが資産どころか「負動産」に

しかし、高度経済成長期にマイホームを手に入れた人たちが、ゆとりある老後が送れているかと言えば、必ずしもそうとは言えません。1970年当時は男性69歳、女性75歳だった平均寿命(※3)はどんどん長くなっていきました。このこと自体は幸せなことですが、それに伴い、想定外のことが起こっています。

高齢になると心身が衰えるのは避けられませんが、高齢者施設に入居したいと思っても、今の高齢者は夫が厚生年金、妻が国民年金のみというケースが多く、夫婦のどちらかかが入居すると、残された人の生活費が賄えないという現実に直面します。結果として、自宅で「老老介護」を続けざるを得ない高齢者夫婦も珍しくありません。

また、せっかく手に入れたマイホームですが、現在、空き家の数は増加の一途をたどり、安全性の低下や公衆衛生の悪化、景観の阻害など、さまざまな問題が深刻化しています(図表1)。つまり、資産になるどころか、買い手すらつかない物件が今後も増えていく可能性が高いのです。