皇族でも自由を謳歌できる海外生活

天皇や皇族は学問に携わることがほとんどで、そのために留学している。ただ、そこには、もう一つ理由がある。

これは、皇族についても言えることだが、特に天皇の場合には、その前の皇太子の段階から自由な生活を送るわけにはいかなくなることが関係している。

それについては『日本人にとって皇室とは何か』でもふれたところだが、最近『赤と青のガウン オックスフォード留学記』がベストセラーになり、その存在が俄然注目されている三笠宮家の彬子女王が書いているように、日本にいるあいだは絶えず「側衛官そくえいかん」という皇宮護衛官がつく。

海外に留学すると、たとえ皇族であっても違う国のことになるので、日本の側衛官がつくわけにはいかない。したがって、彬子女王はオックスフォード留学中、側衛官なしの自由な生活を送っている。

もっとも、現在の天皇がイギリスに留学している間は、日本から側衛官を送れないため、イギリス政府が2人の警護官を派遣していた。それでも天皇は、『テムズとともに 英国の二年間』という著作のなかで、留学中、日本では得られない自由を謳歌したと書いている。

学業修了までに10年以上かかる可能性も

秋篠宮夫妻が、悠仁親王の留学に前向きな発言をしたのも、こうしたことがあるからである。現実的に、将来において悠仁親王が天皇に即位する可能性がもっとも高いわけで、そうなると、どうしても窮屈な生活を強いられる。その前に一度、自由な生活を味わっていなければ、一般の国民とあまりにも遊離してしまう。その点で、悠仁親王が大学卒業後に留学することは間違いないであろう。

これまでの例から考えると、留学する期間は2年間の可能性が高い。ただ、彬子女王は博士号を取得しているため、イギリスでの留学期間は2001年9月から10年1月にまで及んだ。8年半もかかっている。

もし、悠仁親王が、彬子女王にならって博士号取得までイギリスに留学するとしたら、学業を終えるまで、これから10年をはるかに超える年月がかかる。たとえ留学を2年で終えたとしても、大学生活と留学とで学業に専念する期間は6年に及ぶ。その間は、公務に積極的に携わることはなく、国民の前に姿を現すことはほとんどないものと見込まれる。

悠仁親王殿下
2020年11月30日の悠仁親王殿下(画像=外務省/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons