聞き返してもお茶を濁されてしまう
だからといって、「それってどういう意味ですか?」「結局のところ何をしたらOKなのでしょうか?」と気軽に返せるような関係性もまだまだ構築できていないはず。
あるいは、意を決してそう尋ねてみても、「それを考えるのが仕事だよ」「やっているうちにわかってくるから」「周りをよく見てみな」などとお茶を濁されてしまう……。
こんな時、どうやって状況を打開していけば良いのか。
冒頭で述べた通り、私自身、上司の言っている曖昧フレーズの意味がわからなくて苦労してきました。
しかしその後、試行錯誤を続けた結果、曖昧フレーズを自分なりに動ける言葉に変えていくことができるようになりました。
本稿では「お客様目線で考える」を例に、“たった「紙1枚」書くだけで即実践が可能な方法”をご紹介しましょう。
「お客様目線で考える」とは?
「お客様目線で考えよう」「顧客の立場に立って業務遂行を」「もっとカスタマーファーストを徹底していかないと」、等々。こういった「曖昧フレーズ」の解像度を、どうやって上げていけばいいのか。
ひとつめは「反対から考えてみる」アプローチです。
「お客様目線」の反対=「相手の立場で考えることができていない状態」について考えてみると、たとえば「自分や会社の都合でしか考えていない状態」といった言葉に言い換えられるのではないでしょうか。
もうひとつ、「英語に置き換えてみる」アプローチも有効です。
先ほど「カスタマーファースト」というフレーズを紹介しましたが、この表現が頻出のビジネス用語となっている理由について改めて考えてみると、私たちにはついつい「カスタマー“ではないもの”の方をファースト=優先してしまう」傾向がある。こういった問題意識を前提にした言葉だと気づけるのではないでしょうか。
「カスタマーではないもの」とは、前述の通り「自分や自社の都合」であり、なぜそちらを優先してしまうのかといえば、お客様や、あなたの仕事の成果物の受け取り手が何者なのかという点がボヤけてしまっているから。
自身や自社と同じような「親近感」や「臨場感」を、相手に抱いて思考することができないからなのではないでしょうか。

