「課題」と「問題」は何が違う?
具体的なエピソードを一つ紹介しましょう。
ある業務で「課題の明確化」と「問題の明確化」という2つの表現が混在した資料を作ってしまったことがありました。その資料を見た上司から、すかさず次のようなフィードバックが飛んできます。
「なあ、課題と問題って何が違うんだろうな?」
「今回の資料の場合、課題か問題、どちらの表記を使った方が適切だと思う?」
「それとも、意図的に使い分けた方が良いなら両方採用でもOKだけど、とにかく2つの言葉の違いについてもっとしっかり考えてみて」
一連のフィードバックを読んでみて、どう感じるでしょうか。
正直、「そんなのどっちでもいいだろ」と感じている方が多数派かもしれません。ですが、そうやって言葉を雑に扱っているからこそ、冒頭に挙げたような「仕事の状況が見えない」といった悩みを抱えてしまうのではないでしょうか。
少なくとも当時の職場環境ではこのようないい加減な言葉の扱いは許されませんでしたし、年単位でこうした指摘を浴び続けたからこそ、私は「解像度を上げる」力について高めることができました。また、文字だけだと厳しく感じたかもしれませんが、実際には赤字だらけの資料をお互いに見ながら、上司も親身になって一緒に考えてくれました。
数年後、私自身も部下や後輩に同様の指導をする立場になって、このようなコミュニケーションは教える側にとっても、「解像度を上げる」力についてさらに高められる絶好の機会であることを体感しました。まさに「教え、教えられる文化」です(ちなみに、近年のトヨタでは「教え、教えられる」に加え「自ら学び、教える」といった文化醸成も重視しています)。

