フランチャイズで他業種ノウハウを吸収
ファッションの「AOKI」が複合カフェ「快活CULB」を展開していると聞いて驚く人もいるでしょう。2024年10月末現在、「快活CLUB」は全国に489店舗あり、店舗数は国内ナンバーワン。22年に子会社化したランシステムの「スペースクリエイト自遊空間」と合わせると、複合カフェ市場で圧倒的シェアを占めます。
AOKIホールディングス代表取締役社長。東北大学を卒業後、横浜銀行に入行。2003年にAOKIグループのアニヴェルセルに入社、専務取締役を経て06年にAOKIホールディングスへ移り執行役員として財務担当。22年より現職。
なぜスーツのイメージが強いAOKIが複合カフェ業界に進出したのか。話は1990年代にさかのぼります。個人経営の洋品店として創業された我が社は、70年代に製販一体のビジネスモデルで急成長。80年代には全国にチェーン展開してスーツ市場を牽引しました。
しかし、スーツの販売着数は90年代初頭にピークアウト。背景には、労働人口減少という構造的な問題があり、成長の機会を他の領域に求めざるをえませんでした。
幸い、AOKIには「店舗」という資産がありました。また、それまで培ったチェーンストアのノウハウを持つ人財も豊富でした。既存店舗の効率化をすすめ、フロアスペースを捻出し、人財を活用するという視点で多店舗展開できる新規事業を目指しました。
問題は、スペースはあってもファッション以外のノウハウがなかったこと。そこで最初はフランチャイジーを含むさまざまな方法、業態でトライアルしてきた歴史があります。新規に参入しても、早期に撤退した事業は今に至るまでたくさんあり、そうした中で残っているのが今のファッション、エンターテインメント、ブライダルの3つの事業です。
うまくいかずに撤退したものも多かったのですが、悲壮感はなかったです。当時、ファウンダーはAOKIグループ内に「新規事業で20の上場会社をつくる。20の経営チームをつくる」と機会あるごとに社員に向けて話をしていました。若い社員からすると、多角化は活躍するチャンス。社内は活気に満ちていました。
いろいろと挑戦する中で、既存店舗の有効活用という方法で展開を始めたのが、当時は漫画喫茶、インターネットカフェと呼ばれていた複合カフェ業態です。03年には千葉県の幕張に直営で「快活CLUB」の1号店を出店。そこから9年で店舗数は200店に達して、AOKIを支える柱の一つへと成長しました。
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