部屋が広いとデメリットを感じる

・光熱費が高くなる

部屋が広くなると窓の数や面積も多くなりますが、暑さ、寒さは窓から入ってきます。空調を入れても室内が適温になるまで時間がかかりますし、快適な温度を保つためにはパワーが必要になります。

・掃除が大変

部屋が広いと掃除の手間が増えます。広い分、インテリアや壁、天井にたまるホコリも目立つでしょう。

・無駄な空間ができる

リビングとダイニングの間に無駄な空間ができる可能性があります。その空間を「ゆとり」と感じられればよいのですが、ほかの空間を削ってLDKを広くしていた場合、メリットを感じられないかもしれません。

LDKは「見た目より使い勝手重視」

帖数だけ考えるのではなく、「このような使い方をしたいから、これくらいの広さがほしい」と、用途から必要な広さを考えることが大切です。

年に数回しか来客がないのに5人用のソファーセットを購入して広いリビングに置くのはナンセンスです。

「リビングがいつも荷物置き場になっています」という場合、リビングは少し狭くしても、収納を増やしたほうが、リビングがすっきり片づいていいかもしれません。

「実はダイニングテーブルをまったく使っていません」というご家庭も多かったりします。

印南和行『プロ建築士が絶対しない家の建て方』(日本実業出版社)
印南和行『プロ建築士が絶対しない家の建て方』(日本実業出版社)

新しい家に引っ越しをしたからといって、これまでの生活習慣が変わるわけではありません。

スペースがムダになるくらいなら、リビングにソファとテーブルを置いて、ダイニングスペースを省略してもよいでしょう。

「テレビやインターネットで見るおしゃれなLDKはこんな感じだから、わが家もあんな空間にしたい」というあいまいな希望ではなく、現在の家族のライフスタイルにそった間取りを考えるようにしましょう。

特に家族が集まることが多いLDKは、見た目よりも使い勝手を重視することが大切です。

(初公開日:2024年7月11日)

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