時間の浪費になるだけでなく、情報過多になるおそれも
これは、買い物でも同じです。スーパーに買い物に行くとき、あらかじめ晩御飯のメニューを決めてから行く場合と、何も決めずに行く場合を比較すると、時間とお金の使い方に大きな差が出ることがわかっています。
目的なくスーパーに行くと、「本日限りのお買い得!」「このお惣菜、おいしそう」など、目につくものを次々にカゴに入れてしまい、予想以上に時間とお金を使います。
一方、前もってメニューを決めておけば、ピンポイントで必要な商品だけを探すので、店内に滞在する時間が短くなり、ムダな衝動買いも減ってお金も節約できます。
情報を得るときも、あらかじめ「何を知りたいのか」「何を見たいのか」を決めておけば、不要な情報を見なくなるので、時間の浪費を防ぐことができます。
見るものを決めずにテレビやSNSを見ていると、時間の浪費になるだけでなく、情報過多になってしまうおそれもあります。
「この人が言っていることに共感できる」「でも、こっちの意見も正しそう」などと、情報を詰め込みすぎた結果、自分にとっての正解がわからなくなってしまうのです。
すぐ行動できない人は、情報に対して受動的です。どれも自分にとって必要そうに思えるので、矢継ぎ早に提供される情報に翻弄され、次から次へと興味が移ります。
これに対して、すぐ行動できる人は情報に対して主体的です。「自分は何を見たいのか」という自分との対話ができているので、必要な情報を得られた時点で満足できますし、ほかの情報に目移りすることもありません。
このように、先に「何を見るか」決めることを習慣づけておけば、主体的に情報を選び取る力が身につきます。
自分の「好き」を書き出す
人が行動できない理由として「自分の価値観がわからない」ということがあります。
自分の価値観がわからないから、いつも他人が言うことに振り回される。他人に振り回されるから、いつまでたっても自分に自信がもてない。自信がもてないから、行動もできない、という悪循環に陥ってしまうのです。
逆にいえば、自分の価値観を認識できていれば、他人が言うことに振り回されることもなくなり、落ち着いて行動できるようになります。
では、どうすれば自分の価値観がわかるのでしょうか。
最も簡単な方法は、自分の好きなものを書き出すことです。
好きな食べ物でも、好きな映画やマンガでも、好きな芸能人でも何でもかまいません。とにかく、好きなものを書き出してみましょう。好きな言葉や格言・名言などを書くのもいいですね。
ノートに手書きでもいいですし、スマホのメモアプリに入力するのでもOK。大事なのは、自分が「いいな」と思うモノやコトを言語化することです。
自分の頭の中で思っているのと、書き出して言語化するのとは全然違います。言語化した文字を見ると、自分への問いが始まります。
「カレーが好きと書いたけど、本当かな? もしかしたら、カレーは食べるより作るほうが好きかもしれないな」
そうやって自分に投げかけることで、自己理解が深まっていきます。
また、書くことで自分の考えや思いを表現しやすくなる効果もあります。
私のセミナーでも「質問や感想を話してください」と言うと、なかなか言葉に出せなくても、書く時間を与えてから「読み上げてください」と言うと、考えて確認する時間ができるので、発言しやすくなるようです。
嫌いなものではなく、好きなものを書くことにも意味があります。