商談相手の発言量を増やす

「提案中に意味のあるヒアリングを挿入できる箇所を特定する」とありますが、「意味のある」というのは、例えば真因をより細分化して優先順位設定を可能にしたり、解決策の具体性を増すことに貢献する、といった定義になります。

竹内孝太朗『営業スキル検定』(かんき出版)
竹内孝太朗『営業スキル検定』(かんき出版)

提案しているときに、例えば「このような人たちにはいいと思うのですが、このような人たちにはどうでしょうか」といった質問を入れられるような箇所を探すということです。

弊社で言えば、「例えば1日30分学習してくださいと言うと、成績上位の生徒さんはおそらく実行すると思うのですが、成績下位の生徒さんはどうでしょうか」といったヒアリングを適宜挟むようにしています。

また「質問をすでにしている箇所は特定質問を拡大質問に変更し」とあります。

これは、例えば「生徒さんの成績を上げたいですよね」といった特定質問をして、

Yesと言われていたとしたら、「どんなやり方で上げていくか」「どのぐらい上げたいと思うのか」といった拡大質問をすることで、商談相手の発言量を増やしていくということです。

以上の弊社の実践例をご参考に、ぜひみなさんも「聞く」と「話す」の最適な比率を探してみてください。

竹内 孝太朗(たけうち・こうたろう)
モノグサ代表取締役CEO

名古屋大学経済学部卒業。2010年に株式会社リクルートに入社し、「カーセンサー」領域にて広告営業を担当。2011年に中古車領域として初めて、かつ最年少で全社営業部門の表彰である「TOPGUN AWARD」を受賞。2013年からは「スタディサプリ」にて高校向けサービスの立ち上げに関わり、営業として2度目の「TOPGUN AWARD」を受賞。2016年に畔柳圭佑(モノグサ株式会社 代表取締役CTO)と共にモノグサ株式会社を共同創業。モノグサ株式会社では、営業パーソンのスキルを体系化し、営業に必要な42のスキルを言語化。それに基づく独自の育成スキーム「営業スキル検定」を考案し、メンバーの育成に活用している。