手数料2.5%の投資信託を10年間保有すると25%に

2.5%の手数料のかかる投資信託を10年間保有すると25%もの手数料がかかる。

投資の基本は長期投資なので10年から20年投資信託を保有し続けることは珍しくない。その場合、手数料が25%~50%かかるので、儲けが飛んで、手数料のせいで損をするということになりかねない。市場平均を超えるリターンを目指すアクティブ・ファンドまたは運用国や健康関連企業などのテーマに焦点を絞ったファンドに手数料が高いものが多い。

図表2を見てほしい。

これらを見ると、資産を増やそうと思うなら、手数料の高い商品に投資してはいけないということがわかるだろう。これだけ手数料を取られていたら、資産が増えるわけがない。

資産を増やそうと思うなら、信託報酬手数料の低い投資信託に投資するのは鉄則といえる。

全世界株式(通称オルカン)や米国S&P500にリンクしたインデックス・ファンドであれば、信託報酬手数料が年0.1%以下だ。これなら、10年保有しても手数料は1%、20年保有しても2%以下なので、安心して長期投資ができる。

【図表】投資信託 信託報酬手数料と長期保有
筆者作成

「外貨建生命保険ならだいじょうぶ」ということはない

もう一つの例は、外貨建生命保険だ。

保険は資産運用の手段としてもつかわれる。その中でも、アメリカの高金利を利用して保険会社やその代理店である銀行が売ろうとしているのが外貨建生命保険である。

現時点(2024年10月)の10年物国債の利回りを比較すると、アメリカが年4%、日本が年1%弱なので、為替リスクはあるものの、ドル建て年4%金利で運用した方が有利である。

これに投資をしようと思ったら、次の点に注意をする必要がある。

(1)ドルで運用するので為替リスクがある
(2)アメリカの金利4%での運用益がきちんと契約者に還元されているか?

為替リスクについてはアメリカに投資をするのだから、やむを得ないし、それをコントロールする手段はある。

問題は4%の金利運用益がどうなっているかだ。運用益の多くが保険会社の取り分になってしまい、契約者の受取額が小さくなってしまう商品が多いのが実態だ。契約者にとって、運用益の一定パーセント相当の手数料を支払うのは仕方ないが、運用益の半分近くが保険会社の取り分になっているとしたどうだろうか?