2014年に1万ドル投資をしていれば、10年で2.7万ドルに
金融庁の肩を持つわけではないが、貯蓄から資産立国へのスローガンで始めた新NISA制度は上記の条件を満たしていて評価できる。結論は月並みであるが、短期で大きな利益を得ようとするのは投資ではなく、一種のギャンブルだ。
アメリカS&P500指数の過去10年の複利ベース年平均利回りは10.62%、過去50年の複利ベース年平均は8.65%である。
1974年に1万ドル投資をすれば、50年で63.4倍の63.4万ドルに、2014年に1万ドル投資をすれば、10年で2.7倍の2.7万ドルになっている(一括投資でドルで運用、手数料・税金は考慮しない場合)。これだけ増えれば、資産形成という観点からは、大成功だということができる。
具体的には、NISAやiDeCoを使って、S&P500のようなインデックス・ファンドに長期積立投資をするのが基本的な資産運用方法ということになる。
早稲田大学政治経済学部を卒業後、三菱重工業に入社、海外向け発電プラントの仕事に携わる。ベネズエラ駐在、米国ロサンゼルス営業所長などを歴任後、三菱重工グループの保険代理店に移り、取締役東京支店長。2009年にはファイナンシャル・プランナーの上位資格CFPを取得。2017年にサマーアロー・コンサルティングを設立、著書に『70歳現役FPが教える 60歳からの「働き方」と「お金」の正解』(PHP研究所)がある。