「レモン=すっぱい!」五感を刺激する言葉

トランプ氏が政治の膿を出そう! というときに使った言葉は

「Drain the Swamp」(沼を排除せよ)

「政治のどろどろとした悪い面を改善しよう」ではなく、たった3語で「沼から水を抜く」と。選挙の文脈から政治の膿を出して健全化することが浮かび、ぬめぬめとした不快さを取り除くすっきりした印象を与えます。

話を聞いていてイメージが湧いたり、味が想像できたりすることがあります。それは、「自分が知っている何か」に置き換えたり、名言などで言い換えたり、ストーリーの流れで頭に浮かべたりすることでより鮮明になるものです。

「言い換える」「たとえる」とは、聞き手がわからない・わかりにくいものを、イメージがつかめるように、「別のわかりやすい何かでイメージさせる」こと。

そのひとつの方法が、トランプが腐敗した政治という沼からどろどろの膿を抜いてさっぱりさせる印象になるのでしょう。

これが、五感で覚えているような言葉を加えるということです。

日常でわかりやすくたとえるなら、レモンと聞くだけで口の中が本当に酸っぱくなるように、五感を刺激するイメージの引用は、印象が強く残り効果的。

「柚のような香り」「バナナのような食感」と言うだけで、肌感覚的にそのイメージがつかめ、感情に訴えかけます。

レモン
写真=iStock.com/hdagli
※写真はイメージです

比喩を使った名言

名言などを引用するときにも同様に、自分が伝えたいことがさらに聞き手の心を動かすように言い換え、たとえてくれるような言葉を使うことで、こうした効果が得られます。

たとえば、「きっと状況はよくなる」と伝えるなら、こんな比喩を使った名言を付け加えてみることも考えられそうです。

虹が欲しければ、雨は我慢しなきゃ。
女優 ドリー・パートン
夜明け前が一番暗い。
映画『ダークナイト』(イギリスのことわざ)

つらい状況を、冷たい雨や暗い夜にたとえてありますが、自然を使った隠喩的な名言であるぶん心に染みる引用になるかもしれません。