活用法

どんな活用法が考えられるのでしょうか。私が投資初心者もしくは、新NISA初心者なら次の3つを考えます。

(1)米国株もしくは世界の株に投資する投資信託

米国株もしくは世界の株に投資する投資信託に、毎月同額を積立投資する。つみたて投資枠の活用をメインとしますが、つみたて投資枠の年額上限120万円を超える部分は、成長投資枠(同240万円)も合わせて活用します。年率5%での複利運用を目指します。そのポテンシャルがある銘柄はまた別の機会にご紹介しましょう(以下2・3も同様)。仮に、毎月3万円を、30年間にわたって年率5%で複利運用できれば、投資額1080万円に対して、評価額は2496万円になります。

ここで、冒頭で記述した「円安の今のタイミングで米国株に投資すると、円高になったときに損をする」という意見への私からの反論を記述しておきます。仮に1ドル155円が120円になったとして、率でいえば30%ほどです。年率5%で複利運用のポテンシャルと、為替レートが30%動くことと、長期の資産運用ではどちらが大きく影響するでしょうか? 30年後には投資した額の2.5倍近くにもなるという上記シミュレーションとも合わせて考えれば、為替レートの変動をそれほど恐れる必要がないことがわかります。

紙幣
写真=iStock.com/Vadym Petrochenko
※写真はイメージです
(2)日本株の高配当株・増配株に分散投資

日本株の高配当株や増配株に分散投資します。成長投資枠での投資となります。保有銘柄数は、投資額によりますが10~20程度が良いでしょう。1銘柄あたり60万~120万円程度を想定します。それらから配当金を得ながら株価上昇も狙う投資法です。配当金は不労所得になり、給料以外の収入があるのは嬉しいものです。新NISAなら、日本株の配当金は生涯にわたって完全に非課税です。「老後2000万円問題」に照らし合わせて考えるならば、月額5万円(年額60万円)の配当金があれば問題はクリアできるということです。

(3)米国株の成長著しい増配株に分散投資

米国株の成長著しい増配株に分散投資します。(2)のケースと同様に10~20銘柄程度が良いでしょう。米国企業の株主還元策は優秀です。株価を上げようとし、増配しようとし、自社株買いもします。それらに支えられて株価は上昇し、配当金も増えていきます。株価の伸び方が日本株のそれとは異なる強さがあります。ただし、新NISAでも、米国株の配当金には、米国で10%の課税があります。米国株の強さについても、また別の機会にお話ししたいと思います。

それでは、「新NISAで軌道に乗る人・頓挫する人」に関して私が考える共通点6を解説しましょう。