〈4つの保存療法とともに「歩き方を変えればひざは痛くならない」痛みに悩むアナタのための“たつみ式・内もも歩き”〉から続く
手術をしなくてもひざの痛みをとるには? “ひざのスーパードクター”として知られメディアでも活躍中の巽一郎氏の『100年足腰』(サンマーク出版)より、気になる答えを抜粋。誰でもできる方法をご紹介する。(全2回の後編/前編を読む)
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体重が5kg減るだけで、3割の人が手術不要に
100年長持ちするための、からだの正しい使い方を知っていただいたら、次は「食べ方」です。「からだの正しい使い方」と「食べ方」は、車の両輪。自分の足で一生歩くためには、そのどちらも大切です。
「食べ方」とは、何を食べるか、どのように食べるか、ということ。
食べ方によって、からだは変わります。この章でお伝えしていくのは、からだを軽くする。つまり、減量していくための方法です。
私が普段、初診に訪れた患者さんに、3つのお約束事「(1)減量すること」「(2)大だい腿たい四し頭とう筋きんをよみがえらせること」「(3)内もも歩きを行うこと」を、説明会でお伝えし、3か月間取り組んでいただくということは前にお伝えしたとおりです。
どうして減量のことを口を酸っぱくして私が言うか、それはシンプルな理由からです。「からだ」が軽ければ軽いほど、ひざにかかる負担は軽くなり、ひざ痛の原因である内側の微小骨折を抑えられるからです。だから痛みを減らすには、「体重」を減らしてあげればいい。ひざの痛みを予防するために、ひざの負担を減らすことが不可欠です。
そもそも歩くとき、ひざには「体重の5倍」の負荷がかかっているとお伝えしました。体重が増えることで、ひざへの負担は激増してしまいます。
50kgの人が、もし5kg太った場合。250kg(50kg×5倍)の負担が、なんと275kg(55kg×5倍)にまで増えてしまいます。
年齢を重ねると代謝が悪くなり、若いころの食生活のままでは、体重が落ちにくくなります。5kgの脂肪なんてあっという間についてしまうのは多くの人が経験していることでしょう。
でも、反対に、50kgの人が、もし5kgやせることができた場合。
250kg(50kg×5倍)の負担が、なんと225kg(45kg×5倍)にまで減ることになります。25kg、つまり小学校低学年のお子さんひとり分くらいの体重が、ひざの仕事から“免除”されることになる。ひざにとっては、大きな喜びに違いありません。僕がひざの痛みを切らずに治すために、減量しましょうと提唱し続けてきたのは、まさにこの理由なのです。