嫌われやすい人の話し方にはどんな問題があるのか。コミュニケーションコーチの小林音子さんは「良かれと思って説明を過剰にしていたり、相手に共感を示しているつもりで、会話泥棒をしている人がいる」という――。

※本稿は、小林音子『アメリカの中高生が学んでいる話し方の授業』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

書類を見せながら説明する男性
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「無自覚の欲求」に気づく必要がある

自分の承認欲求をマネジメントするためには、まずは無自覚の欲求に気づく必要があります。承認欲求のマネジメントを始めるために、「承認欲求をマネジメントできていない5つのNG例」を見ることで自分自身の経験を振り返り、メタ認知をしてみましょう。NG例1~3を紹介した前回に続き、今回はNG例4~5を紹介します。

延々とサブスクの仕組みを話す営業担当者

【NG4】親切に説明する

「親切に説明する」ことは前回の記事で紹介した「よかれと思ってアドバイスをする」に似ていますが、助言のスタイルにすらなっていないところが異なります。あなたはある会社の経理部に所属しています。

すでに会計ソフトは使用していましたが、新しい税制に対応することも考えて、ソフトの見直しをすることにしました。そこへちょうどある会計ソフトのベンダーが「ぜひとも私どもの会計ソフトを紹介させてほしい」と営業をかけてきたので話を聞いてみることにしました。そこで、特に新しい税制への対応状況について聞きたい旨を伝えると、営業担当者が説明を始めました。

「私どもの会計ソフトはウェブブラウザ上で使用できるクラウドサービス方式ですので、貴社の端末にインストールする必要はありません。使用料も月契約か年契約によるサブスクリプション方式になります。サブスクリプションというのは元々雑誌や新聞などの定期購読における支払い方式を示していまして、それが現在ではソフトウェアの定期使用料を支払う方法にも使われるようになったんですね。よく知られているサブスクリプションサービスでは動画配信サービスとか音楽配信サービス、あるいは電子書籍の読み放題などもあり、現在ではソフトウェアのお支払い形式としてはメジャーな方式となっています。また、もっと身近なところでは――」