人生100年時代を迎えていますが「目の寿命」ははるかに短く60~70年ほど。十分な準備をしておかないと人生の後半に目の病気や視力障害で生活に支障をきたしてしまうかもしれません。ここでは世界基準の目の守り方を記した『100年視力』(サンマーク出版)から再構成し、一部抜粋。目を守るために「やってはいけない4つのこと」をご紹介します。(全2回の1回目/続きを読む)
◆◆◆
みなさんにも忘れられない風景がおありでしょうか。
それはいつ思い出しても、心をなごませ、人生の豊かさを思い出させてくれますね。
そんな経験をもたらす目を、大切にして生活しましょう。第2、3章では私も実践している、暮らしの中でできる「目を大切にする方法」をご紹介していきます。
目を「こすって」はいけません
目を大切にするために、大きく4つ、してはいけないことがあります。
まずは、「目をこすらない」ということ。なあんだ、そんなこと? と思うなかれ。目が何ものにもまもられていない、むき出しの臓器であることは先述したとおりですが、衝撃に「劇的に」弱いということを何度も強調したいと思います。
私はよく「豆腐のように扱ってください」と言いますが、まさに、ぐちゃっとつぶれてしまうような、やわらかく繊細なもの。そんな目を「こする」ことは、非常に大きな衝撃を目に与えてしまいます。
近年、アレルギー疾患が非常に増えています。毎年2月頃からスギ花粉が飛び始めますね。2023年は前年より10倍も多かった、などとニュースで報じられていました。
目がかゆいと、しょっちゅうこすったりします。このアレルギーのひどい人にはアトピー性皮膚炎がある人もいます。目をこすったり、軽く叩いたりする力は大したものではないですが、毎日、何百回もこすっていると、外傷となります。
プロボクサーが顔に受けるパンチなどによって、目に外傷を受け、網膜剥離や白内障を起こすことがありますが、そのような選手たちも、数多く深作眼科を訪れます。そんなボクサーたちと同じように、目をこすることで、それと同じ症状を負うことがあるのです。
アレルギーがあって目をこする人と、パンチを浴びるボクサーに、同じ目の障害が起こるのか? 疑問に思うかもしれませんが、目をこすることの1回の外傷力は小さくても、数千回や数万回も目をこするうちに、ボクサー同様に目は大きく傷ついてしまうのです。