アトピー性皮膚炎の患者さんには、若い人でも白内障や網膜剥離だけでなく、「円錐角膜」という角膜の異常も起こりやすい傾向があります(円錐角膜とは、目を常にこすることで、角膜の線維の梁構造が壊れてしまい、弱くなった角膜部分が眼圧で外に出っ張ってしまう状態のこと)が、それもこの「こすってしまう」習慣ゆえです。

また、アレルギーがない人でも、強度近視の症状がある人は、目が長く伸びた状態になっているため、網膜周辺部が伸ばされて薄くなっています。目がかゆいからとこするだけでも、薄い網膜は簡単に破れ、網膜剥離になる人もいるのです。

花粉症のハイシーズンには多くの網膜剥離の患者さんが来院します。そしてその多くが、アレルギー性結膜炎で目をこすったくらいで網膜剥離になるなんて、と驚きます。

とにかく、目は「豆腐のように」扱うこと。こすってはいけません。

やってはいけないことは…

そして、目を洗うのも絶対にやめましょう。

目とは本来、「洗ってはいけない」ものなのです。

花粉症で目のかゆみがあるとき、また、プールの後に目を洗うのもいけません。よほど目にほこりや異物が入るなどしたとき以外は、目は洗ってはいけないし、そもそも、洗う必要がないものなのです。

目をまもることができるのは「油層と水層とムチン層」からなる涙だけです。

目を覆っていいのは、この涙だけ。油層と水層とムチン層。この層をまもらなければ、目はまもれません。

目を洗ってしまうと、むき出しの目をまもる涙を洗い流してしまいます。かつて、学校のプールの授業の後に、目を洗う水道がありましたが、あれは非常に危険なものでした。

最近ですと、目を洗う「洗眼液」もありますが、あれも目を洗う効果以上に、目から大切な3層を奪い、さらに細菌感染ももたらしてしまうおそれのある、危険なものです。

洗眼液を入れて目に当てるカップも完全に無菌ではありません。一定の衛生は保たれていても、むき出しの目にとっては「不潔」なのです。

目を洗いたくなるようなほこりっぽい場所に長くいたり、粉塵が舞うような作業をするときはメガネやゴーグルで、目の被害を防いでください。