自分の「心の動き」を開示する
3.エピソードトーク
気持ちやパーソナルなことを伝える「エピソードトーク」は自然な自己開示ができます。
○「昨日、ニュースでこんな記事を読んでびっくりしたよ」
×「○○製のラケットが新発売になってね」
○「最近ラケットを買い換えたら、またテニスが楽しくなったよ」
エピソードというと、何か変わったことやおもしろいことを話さなくてはいけないと身構える人もいるかもしれませんが、そうではありません。
エピソードトークで大切なのは、自分の心の動きや気持ちを伝えることです。
相手からすると「心をひらいてくれている」という印象を抱きやすくなり、お互いの心理的距離が近づきます。
こちらとしても、おもむろに「私はこういう考えの持ち主です」「私はこういう性格です」と語るより、気恥ずかしくないという利点もあります。なかでも「○○を食べた。おいしかった」など、食べ物の話題は無難で便利です。
「『教えてもらう』スタンス」「ビデオトーク」「エピソードトーク」。頭文字をとって、もう沈黙を怖がらず「お・び・え」ないための切り札として、ぜひ覚えておいてください。
「共通点」は見つけなくていい
相手との会話の中でなんとか共通点を見つけようと、次々とお互いに話題を提供し合うけれどかみ合わず、気まずい……。誰しも、そんな経験をしたことが一度や二度はあるのではないでしょうか。
ところが、こと「会話のラリーを続ける」という点においては「共通点があること」はさほど重要ではありません。
例えば、相手はプラモデルが大好きだとわかったとします。でも、あなたはプラモデルのことはまったくわかりません。しかし、これは会話が盛り上がるチャンスなのです。
自分「そうなんですか! 全然詳しくないのでトンチンカンな質問をしたらすみません。昔からお好きなんですか」
相手「そうですね。小学生の頃から好きです」
自分「へえー! いまでもよく作るんですか」
相手「そうなんです。土日はみっちり時間を費やしています」
自分「それはすごい!」
最初に「全然詳しくない」と断ったうえで、素直な質問を投げかけると相手は気持ちよく話すことができます。結果、あなたに対して好印象を抱くのです。