深い呼吸を意識するだけでいい

「胸腹式呼吸」はとても簡単です。ひと言で説明すると、鼻から吸って口からフーッとラクに吐くだけ。普段、無意識に行っている呼吸を、ゆっくりと意識的に行うだけです。

ポイントは1つだけ。肋骨全体が広がっていること、特に背中側の肋骨が動いていることを意識しながら行うことです。

座って行ってもいいですが、仰向けに寝た状態で行うと、肋骨の後ろ側が膨らむ感覚がよりわかりやすくなるのでおすすめです。1日10呼吸程度でいいので、毎日続けてください。(図表1)

【胸腹式呼吸】
1 仰向けになり、体をラクにした状態で、口からフーっと息を吐き切る。このとき、両手で肋骨に手を当てて、肋骨の動きを意識します。
2 鼻からスーッと息を吸います。このとき、肋骨の背中側がしっかりと広がっていることを確認します。
3 体が床に沈むように、口からフーっと息を吐きます。

いつでも、どこでもできる「両腕ひねり」を試してほしい

効果的に背中の筋肉をゆるめるもう一つの方法は、「両腕ひねり」という動作です。いすに座った状態のままできて、たった10秒で肩甲骨まわりの筋肉をゆるめてくれます。筋肉は動かさないとそのまま固くなってしまうというお話をしました。

座りっぱなしの状態が続く時には、1時間に1回を目安に、このような動作を取り入れていくとよいでしょう。(図表2)

【両腕ひねり】
1 座った状態で、右腕を肩の高さまで上げます。
2 肩の付け根から、腕を内側→外側の順にひねります。これを3回繰り返します。
3 同様に左腕を肩の高さまで上げ、内側→外側の順に3回ひねります。
4 両腕を肩の高さまで上げて、同じように左右の腕を内側→外側の順に3回ひねります。

最後に、腕を外側にひねった状態のまま両腕を下ろし、手首を内側に戻しましょう。一度動作を覚えたら、1~3は省略して、4のみでも大丈夫です。これなら3~4秒あればできます。この時、肩が上がってしまわないように注意してください。

ストレスのコントロールは、簡単にできることではありません。でも、1日10回の胸腹式呼吸と、「両腕ひねり」の10秒ほぐしなら、誰でも簡単にできます。背中をゆるめるアプローチから、自律神経の乱れを整えてみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
「顔で笑って心で泣く」がベスト…自律神経の名医が教える「医学的にやってはいけない」5つのNG行動
食べてすぐ寝たら疲労はとれない…それでもお腹が空いて眠れない夜に口にするといい"身近な食材"
「脳トレはほぼ無意味だった」認知症になっても進行がゆっくりな人が毎日していたこと
「足を組む」「背もたれを使う」は絶対にNG…首、肩、腰が「ガチガチになる人」に共通するヤバイ座り方
「10万人の胃腸を診た専門医が警鐘」日本人の約5割が毎朝食べている胃腸に最悪の"ある食べ物"