糖質制限ダイエットを始めたのに、体重が落ちない、痩せられないダイエッターは多い。その原因はどこにあるのか。糖尿病専門医であり女子栄養大学名誉教授の田中明さんは、「ごはんを減らすのはむしろ太る要因になる。そればかりか、極端な糖質制限が不調や将来の病気にもつながる」という――。
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糖質が余ると中性脂肪となり肥満や脂肪肝に

手軽で始めやすいダイエットとして定番化した糖質制限。糖質は、主にごはんやパン、麺などの炭水化物に多く含まれる栄養素で、活動するためのエネルギー源になっています。

私たちが生きるために欠かせない栄養素といえる糖質ですが、摂りすぎて余ると中性脂肪となり体内に蓄積。脂肪細胞に蓄えられることで、体重が増えたりぜい肉に変わったりして肥満につながります。

また、脂肪細胞だけでなく、中性脂肪が肝臓に蓄積すると脂肪肝に。まるでフォアグラのように脂肪が溜まった肝臓になり、進行すると肝硬変や肝臓がんのリスクが高まります。お酒を飲まない女性でも、糖質の摂りすぎによって脂肪肝になることもあるのです。

そのため糖質を抑えた食生活を送ることは、ダイエットや体型維持につながるとされ、多くの人が糖質制限を取り入れていることでしょう。しかし中には、「糖質制限をしているのに痩せられない」という人がいます。ダイエットが成功しない原因は“過剰すぎる制限”にあるかもしれません。