「子どもがいると働けない」「特別な資格や人脈がなければ仕事にならない」。そう思い込んでいた。だが、仕事ゼロ・実績ゼロ、赤ちゃん同伴からのスタートでも、キャリアはつくれた。鍵になったのは、長年「主婦の悩み」とされてきた家計管理や片づけだった。FPの橋本絵美さんが6児の母としての実体験を強みに、仕事を手にした軌跡を振り返る――。

主婦雑誌大好きな少女時代――好きがキャリアの源になる

「子どもがいても働きたい」「子どもとの時間を大事にしたい」「家族とキャリアの両立をあきらめたくない」こんな理想と現実の間で毎日奮闘しているパパママは少なくないと思います。私自身、長男を出産した20代は子育てと仕事の両立は不可能に見えました。今では講演依頼やTV、雑誌などの取材を受けることも増えましたが、もともと特別な才能を持っているわけでも、特別な人脈があったわけでもありません。むしろスタート地点は「仕事ゼロ・実績ゼロ・ベビー同伴」というゼロ、もしくはマイナスからのスタートでした。

今回はそんな私がどのようにファイナンシャルプランナー、お片づけプランナーのキャリアを築き、6児の子育てと仕事を両立させていったのかをありのままにお伝えします。

在宅で勤務する母親と同じテーブルでいい子にしている二人の子供
写真=iStock.com/kohei_hara
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私は子どもの頃から生活雑誌が好きで母が時々購読していた「すてきな奥さん」「おはよう奥さん」「サンキュ!」などを漫画のように読みふけっていました。節約、家計管理、収納、料理の段取り、掃除の効率化など、当時は子どもだったので実践できるものは少なかったのですが、ただただ面白く、何度も何度も読み返していました。子どものこの頃の“好き”が、今の仕事の核になっています。

大学では、起業もしくは政治の方面に進みたいと思い、東京に出ることを決め、商学部へ進学しました。周囲には公認会計士を目指す友人が多く、私も専門学校に行ってみましたが、どうしても気持ちが乗りませんでした。そんなときパンフレットの棚に「ファイナンシャルプランナー(FP)」という資格を見つけたのです。家計の知識が専門性になる仕事があるということを知り、会計士よりもこっちの方が興味があるな、と思いました。とはいえ当時は資格を取得しようというところまでは至りませんでした。

社会とつながりたかった

キャリアを積みたいという思いもありながらも、子どもの頃から「子どもは10人ほしい!」と本気で思っていたので、卒業後はすぐ結婚し、まもなく長男を授かることができました。でも、長男が生まれてからの日々は、まさに24時間育児。授乳・おむつ替え・寝かしつけを繰り返すうちに、気づくと夜になり、また朝が来ている。年子で第2子も授かり、外で働くことは想像もできませんでした。それでもやっぱり私も社会とつながりたい、誰かの役に立ちたい、と考えていました。

そんなとき思い出したのが大学時代に出会ったファイナンシャルプランナーです。そうだ! FPの資格を取ろう! 夫に相談し、休みの日は子どもを見ていてもらい、育児の合間を縫って勉強しました。そして3人の妊娠・出産を挟みながら、FP3級・2級と合格していきました。もちろん、ただ、資格を取っただけでははても、お金にはなりません。実務経験もゼロです。それでも、資格を取ったことで、未来につながる努力が実を結んだ実感を得ることができました。これは、当時の私にとって何より大きな救いになりました。